2021年6月からクラウドバンクで「金取引」ができるようになりました。
「クラウドバンクで金取引ってお得なの?」
「金取引のメリットやデメリットはなに?」
「自分は金取引をした方がいい?しない方がいい?」
など、金取引に関して疑問を感じている方もいるかと思います。
この記事では
- クラウドバンクの金取引の特徴
- 金取引のメリットとデメリット
- クラウドバンクと他の証券会社との比較
をまとめました。
この記事を読めば自分はクラウドバンクの金取引に向いているのかがわかります。
結論から言いますと、クラウドバンクの金取引は「安定重視の人」向きです。
コストがあまりかからず、リスクも低いことが特徴です。利益は得にくく「利益重視の人」には向きません。
クラウドバンクでの「金取引」の特徴
まずは、クラウドバンクの金取引の特徴を解説します。

最低1,000円から「金」が購入可能
クラウドバンクの購入・取引単位は下記の通りです。
金額 | |
---|---|
最低購入額 | 1000円〜 |
取引単位 | 1000円単位 |
少額であれば、万が一損失が出ても、受けるダメージも少額ですみます。
金取引の経験がない人でも始めやすい金額と言えます。
手数料は購入時のみ(他の手数料は業界最低水準)
手数料は購入時にかかる税込1.65%のみで、業界最低水準です。
- 「売却手数料」
- 「保管料」
- 「年会費」
などは無料でいっさい掛かりません。
低コストで金取引が可能なことも、ポイントのひとつです。
特定保管で金の所有権は「購入者」
クラウドバンクでは、金の保管は特定保管です。
特定保管とは
投資家が「購入した金」と「サービス会社の金」をきっちりと区別して保管する方法です。
しっかり分別されているので、購入した金の所有権は投資家の物になります。
したがって万が一サービス会社が倒産しても、金は購入した投資家に渡されます。

リスクは、できる限り避けたいもの。
保管中に金を失うリスクがないのは大きなメリットです。
購入した金を取り出すことはできない


クラウドバンクで購入した「金」は、取り出すことができません。
しかし、金が取り出せないことは、なんの問題もありません。手元に置いておかなくても「金」自体に価値があるので所有していることが重要です。(自分で保管すると盗難や紛失のリスクがあります。)
また、他社では「金」を取り出すことができますが、高い手数料などを支払う必要があります。
他の取り出し可能な証券会社を調べると、金を取り出す際には
- 手数料
- 送料
- 保険料
- 消費税
が発生します。
特に手数料は、金100gで5,000~6,000円ほど。ほかの経費を含めると数万円の経費を支払います。
そこまでして金を手元に置く必要がある?と僕は思います。
金取引のメリット
そもそも金取引にはどんなメリット・デメリットがあるのでしょう?先にメリットから解説します。
「金」存在そのものに価値がある


株や債券などは発行した会社などが倒産すれば、購入した株の価値は無くなります。しかし、金は誰かが発行したものではありません。
金は実在している物で、存在そのものに価値があります。
また、希少価値があり、腐食しにくいため、安定した資産になります。
インフレや有事に強いので、もしもの時の資産になる
インフレ(お金の価値が下がる)は需要と供給のバランスが崩れ、「供給」よりも「需要」が多い状態をいいます。
結果、物を欲しい人が多いと「物の価格が上昇」。それに伴い、「お金の価値」が下がります。
先にも述べましたが、金は実在する物です。
つまりインフレの時には、「金」の値段も上がりやすい傾向があります。よって、インフレ対策になり「もしもの時の資産になる」というわけです。



カンタンに言うとインフレで「現金」を持っていると資産価値が下がる
「金」を持っていると資産価値が上がる。
だからインフレ対策で「金」を持っておくと良い。
また、テロや戦争など世界のどこかで起こると「株」や「通貨」など大きく値下がりします。それらの価格はいつ元に戻るのか分かりません。
しかし「金」は有事が発生しても価格が下がることはありません。
「金」は有事のときにみんな「株」や「通貨」を売って、そのお金で「金」保有しようとします。むしろ下がるどころか上がります。
インフレ対策、有事対策で「金」を持っておくことは必要です。
「価値基準」が世界共通なので売りやすい
価格基準が世界共通なので売りやすいことも、金の特徴です。
先進国でも発展途上国でも価値は変わりません。
金は投資目的だけでなくアクセサリーや電子機器にも使われています。世界中に市場があり、買い手が見つけやす。
「金取引」のデメリット
続いて金取引のデメリットを見てみましょう。
元本割れのリスクがある
「金」も「株など」と同様に値動きがあります。理由は、世界の経済や政治などの影響を受けるからです。
また、国際的に米ドルで取引きしているので、為替の影響も受けます。
当然、購入時より売る時の金額が低ければ元本割れします。
保有しているだけでは利益は出ない
金は「配当」や「利息」がつかないので、持っているだけでは利益は出ません。
金に利益が発生するのは、売買のときです。
利益を出すには、値動きを見定め「安いときに買い」「高いときに売る」のが鉄則です。
手数料などコストがかかりやすい
実物の金を購入した場合や、金を取り出した場合、「盗難・紛失」のリスクが考えられます。
どこかに保管を依頼すれば、保管料がかかります。
また、自宅で保管する場合、セキュリティをどうするか考える必要があります。金の特徴は、思わぬコストがかかることです。
特に「投資」としての純金積立は「値上がりも少なく」「手数料」も高いのでお薦めできません。別記事で純金積み立てがなぜおすすめできないか詳しく解説しています。
>>「純金積立はやめとけ」おすすめできない理由がある。積み立てを検討している人は要チェックな内容
クラウドバンクと他の証券会社との金取引の比較
クラウドバンクとスポット取引を扱っている他の証券会社との比較をつくってみました。
クラウドバンク | SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | |
最低金額 | 1,000円 | 1,000円 | 1,000円 | 1,000円 |
買付手数料 | 1.65% | 1.65% | 1.65% | 1.65% |
売却手数料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
年会費 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
現物引出し | 不可 | 可 | 可 | 可 |
現物引き出しの費用 (手数料) | ー | 1㎏から750万円まで 配送料 (引出・保険料を含む) 月曜15:00の為替レートによる | 100g=5,500円 500g=22,000円 1kg=27,500円 | 100g=6,600円 1kg=27,500円 |
送料 | 手数料に含む | 2,200円 (同一銘柄・同一単 位で1回5kgまで) | 2,200円 (1回5kgまで) | |
保険料 | 手数料に含む | 無し | 無し | |
消費税 | 価格問合せ時点の財務省貿易統計 ページ為替レートによる | 現物受取数量(g)× 現物受取注文時の 当社小売価格(円)× 消費税率10% | 消費税相当額 (提示する価格に 消費税率を乗じ た金額) | |
管理方法 | 特定保管 | 特定保管 | 消費寄託 | 消費寄託 |
保管料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
SBI証券は以前、買付手数料は2.2%でした。2021年7月1日から1.65%に引き下げられ、買付手数料に差はなくなりました。
表を見ての通り、ほぼ変わりないのが現状です。
違うところは「クラウドバンクのみ現物引出が不可」と「管理方法」と「現物引出の費用」です。
マネックス証券と楽天証券の「管理方法」の「消費寄託」とは、、、
サービス会社の金と投資家が購入した金の区別をせずに保管する方法です。保管している金はサービス会社に所有権があります。
ただし、預けている者が希望すれば、金を取り出すことは可能です。
所有権はサービス会社にあるため、会社が倒産した場合は預けている金は戻ってきません。
リスク回避という点では、特定保管のクラウドバンクとSBI証券で金取引するほうがいいです。
クラウドバンクの「金取引」売却方法
クラウドバンクで「金」を保有していて売りたいときは「クラウドバンク」のページから売却できます。
月曜日〜金曜日(年末年始のぞく・土日祝のぞく)10:00〜23:59
クラウドバンクのホームページで手続き可能
保有している全量もしくは一部を現金化できます。
現金は2営業日後にクラウドバンクの口座に振り込まれます。
まとめ:クラウドバンクで金取引に向いている人
クラウドバンクで金取引に向いている人は
・すでにクラウドバンクでソーシャルレンディングをしている人
・金を少額でコツコツ購入し、中期、または長期保有を考えている人
・金をもしもの備えの資産として考えている人
・価格変動の確認が苦でない人
です。
短期間で金を売買して、多くの利益を得ようと考えている人には向きません。
「金ETF」や「金先物取引」など別の方法で金取引を行ったほうが利益が得られます。
「金にちょっと興味がある」「多少の損失は構わない」という人は、やってみるといいと思います。
クラウドバンクでの金取引なら、「低リスク」「低コスト」で行えます。
コメント